*壁に棲むもの2013/10/18 21:35


クマドリカエルアンコウy.a.
撮影者:どこせん旦那
撮影地:坊津(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/160秒,F10,ISO200

5cmサイズくらいに育った個体です。
この岩のくぼみが体のサイズにぴったり。
よほど居心地がいいのでしょう。
岩壁の一部となってなじんでいます。
このまま化石となって一体化してしまいそうです。

*メルヘン撮り?2013/09/23 23:23

ベニハナダイの幼魚

撮影者:どこせん奥様
撮影地:坊津(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F5.0,ISO100

水中撮影するとき,
メインとなる被写体を綺麗に写したいのは当然のことながら,
できれば,その生き物が住処としているホストや,
画面に映り込む周りの環境なども一緒に綺麗に写すことができると,
とてもうれしい。

手っ取り早く背景処理をしようと思えば,
とりあえず,青抜きか黒抜きでということになると思いますが,
そればかりだとなんだか味気ないし,
毎回似たような雰囲気になってしまって,
変わりばえがしない。

それで,巷ではいま,
「メルヘン撮り」なるものが流行っているようです。
ガンガゼの肛門を青く丸ぼけさせて背景に写し込む,
通称「ガンメル」とか,
同じくウミシダの先端を丸ぼけさせて背景に写し込む,
通称「シダメル」とか,
実際にやったことがないので推測ですが,
キラキラ光る素材をメインとなる被写体の後ろに置いて,
ストロボ光を反射させてカラフルな丸ぼけを生み出す,
通称「キラメル」など。
他にも様々な手法でメルヘンな水中写真を生み出しているそうです。
「キラメル」でネット検索すれば,いろんな作例が出てきます。

確かに,とってもメルヘンチックな写真になるとは思うのですが,
個人的には,「じゃあ,背景にきれいなブルーのプラ板を置いて,
どんな色の海でも超綺麗な青抜きで写真撮ったり,
プラ板の色を替えれば,普通ならなかなか難しい,
ピンク抜きや黄色抜きなんかも簡単にできてしまうってことだし,
そんなことなら,最初から写真を加工したり,合成すれば,
もっと手っ取り早くメルヘン写真ができてしまうよなー」って,
「ガンメル」や「「シダメル」はともかく,
人工物を利用するようなやり方には,
少々疑問を抱いています。

せっかく陸上ではお目にかかれないような,
いろんな生き物たちが居て,
素晴らしい自然の光や影や色や形があふれている水中に,
わざわざ命の危険を冒してまで
ダイビング器材を身にまとって潜って行って,
わざわざ水没の危険を冒してまで
カメラ機材を持ち込んで写真を撮るんだから,
その自然の姿を写すのが楽しいんじゃないかなーと思っています。

でも,写真やダイビングの楽しみ方は人それぞれですから,
それもまたそれ。
私もストロボ光で撮影している時点で,
厳密にはありのままとは言えないですもんね。

そうか,そうだ,「キラメル」で撮影テクニックをマスターして,
実際には自然の環境を活かして,その技を再現するってことなのだな。

で,それはさておき冒頭の写真ですが,
これは人工的な素材は一切なしです。
背景は,岩に付着したホヤやカイメンや藻類たちが
いい仕事をしてくれてます。
生き生きとしている生き物の姿を,
綺麗な背景の中で撮れることって,
そんなにしょっちゅうはないことなので,
たまにこんな写真が撮れると,
とってもうれしい。・・・に違いない。
これは奥様が撮った写真。私は能書き垂れの旦那。

坊津(鹿児島)でダイビング_20130427−282013/04/29 11:18

ゴールデンウィーク前半の3連休は坊津へ行ってきました。
前回の坊津で奥様のD90を水没させてしまい苦い思いをしましが,
やっとハウジングの準備も整い,奥様も晴れてD7000デビューとなりました。


ナノハナフブキハゼ
水温がまだ上がりきらないせいか,ハゼの出はいまいちでした。
華の根側の砂地には,ホタテツノハゼ属の1種の4,オニハゼ,ヒメオニハゼ,
そして,割れ岩の砂地にはこのナノハナフブキハゼが見つかったくらいでした。


クモガニ
網代の華の根のふもとの砂地の海藻についていました。
脱皮直後のようで,左下に抜け殻をふんづけています。
腕にふわふわの毛がついています。
脱皮したてなので,ゴミもついてなく,とてもきれいです。


スミレナガハナダイyg.
華の根の岩場にいました。
光輝くような明るく鮮やかな黄色がとても目立ちます。


アカボシハナゴイyg.
体長20mmくらい。
華の根のオーバーハング(水深25m)に,ハナダイの幼魚と混泳していました。
ハナダイと比べて華やかさが段違いです。
2日連続で見つかりましたが,普通はすぐにいなくなってしまうとのこと。
ハナダイから意地悪されて群れを追い出されてしまうのだとか。

同じ個体の別カット



アカオビハナダイyg.→訂正 ケラマハナダイyg.
アカオビハナダイの幼魚は,
尾鰭の両端の赤いところがつながらないのだとか。

腹鰭の前縁に赤い帯がない

 ○尾鰭の後縁は上下の先端部と縁も赤い

   ・・・・・ケラマハナダイ

 ○尾鰭の後縁は上下の先端部だけが赤い

   ・・・・アカオビハナダイ

腹鰭の前縁に赤い帯がある

 ○尾鰭の後縁は先端部の上下だけが赤い

   ・・・・カシワハナダイ


華の根の岩場にいました。
奥様がペアでおさえました。


アカオビハナダイ
こちらは成魚です。華の根の裏側で群れをつくっていました。
体の下半分が黄色く染まるほど激しく婚姻色を出して泳いでいましたが,
ヒレ全開のときは,少し落ち着いてしまっていました。


オキナワベニハゼ
きれいなピンクのホウミムシ?の上がお気に入り?


ウロカリデラ・アントンブルニイ(クリアクリーナーシュリンプ)
日本でもよく見かけるのに和名がないのはなぜでしょう。
やや正面からおとぼけ顔が撮れました。


イトヒキベラ婚姻色
網代の浅場で,2匹のオス同士が婚姻色の張り合いをしていました。
イトヒキベラの婚姻色はきれいというよりも,
ギラギラとしたメタリック調で,どぎつい感じがします。



スズメダイ属の1種?(yg.)
体長25mm程度。網代の浅場に居ました。
スズメダイガイドブックによるとキホシスズメダイと混同されていた
未記載種とのこと。


ヒメイソギンチャクエビの1種
網代の浅場でナガレハナサンゴに埋もれていました。
まだよく生態がわかっていないようです。


フリソデエビ
網代の浅場岩の奥でヒトデをムシャムシャと食べていました。


ウミヒドラの仲間
絞り気味に撮って輪郭を浮きだたせてみました。