*サンゴに宿るもの2013/10/29 22:25


サンゴヤドリガニ科の1種
撮影者:どこせん旦那
撮影地:坊津(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/160秒,F16,ISO2
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坊津では,アシビロサンゴヤドリガニと同じく,
スリバチサンゴ類に体形にぴったりのくぼみをつくり,
その中に宿って暮らしています。

幼体のときにサンゴに定着し,
その部分のサンゴが成長を止めてしまうことから,
体に合ったくぼみができあがるそうですが,
どのような作用でサンゴの成長を止めるのか,
謎で,とても興味があるところです。

上の個体は,くぼみから出てきたところなのか,
これから新たなくぼみができるところなのか,
定かではありません。
しかし,すでに成長していて幼体ではないので,
自分の宿を持っているのではないかと思います。

下の個体は,長崎・辰ノ口で見つけたものです。

サンゴヤドリガニ科の1種
撮影者:どこせん旦那
撮影地:辰ノ口(長崎)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F16,ISO2
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アシビロサンゴヤドリガニに比べると,
かなり地味で,残念ながらあまり写真映えがしません。
でも,気になるんですよね。
目につくと,つい撮ってしまいます。


ところで,サンゴヤドリガニと言えば,
最近新種のカニが論文に記載され,
各地の新聞でも紹介されました。
ダイダイクボミサンゴヤドリガニ」という
とっても長い名前のカニです。(15文字!)
発見者は,京都大学瀬戸臨海実験所で研究をしている,
大学院生の座安佑奈さんです。
こちらこちらこちらでも紹介してあります。

世間では,深海ブーム真っ盛りですが,
浅い場所でも,未だ知られていなかった種が,
続々と明らかになっていくとは,
海ってやはり奥深いです。

*パステル岩肌バックにニシキ抜き2013/10/24 20:21


ホソフウライウオ

撮影者:どこせん旦那
撮影地:坊津(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F5,ISO2
00

ホソフウライウオとニシキフウライウオが,
ペアになっていました。
見た目地味なホソフウライウオの方が珍しいので,
贅沢にもニシキフウライウオを脇役にしました。

同じ仲間で体つきはそれほど変わらないのに,
派手さと地味さがこれほど極端に違うとは,
どういう進化の過程を経てきたのでしょう?

ホソフウライウオは,
トゲウオ目(2亜目11科71属278種)
  ーーヨウジウオ亜目
    ーーカミソリウオ科
      ーーカミソリウオ属
に,カミソリウオ,ニシキフウライウオと共に属します。
(カミソリウオ科は1属3種)

トゲウオ目は,魚の風貌としては変わり種の宝庫で,
他に,ウミテングの仲間,タツノオトシゴの仲間,
ヨウジウオの仲間,ヘラヤガラの仲間,
そして,サギフエやヘコアユなど,
吻が細長い,へんてこなタイプの魚たちが集まっています。

カミソリウオの仲間は,形態の変異が著しいため,

長らく分類が混乱していたそうです。

日本では,かつて,

カミソリウオ,フウライウオ,ノコギリフウライウオ

の3種に分類されており,

ニシキフウライウオは,

フウライウオの種内変異とされていました。


ところが,1994年に瀬能氏によって,

これらは全て同一種であることが明らかにされ,

まとめてカミソリウオとなりました。

また,このとき,ニシキフウライウオと

ホソフウライウオが,別種として記載されました。


とは言っても,見た目,

カミソリウオとホソフウライウオの区別は難しいし,

さらに,紛らわしいことに,

日本では消失してしまったノコギリフウライウオが,

外国では未だに別種扱いされたりしているそうです。


それは,ラフスナウト・ゴーストパイプフィッシュ

もしくはヘアリー・ゴーストパイプフィッシュ

Rough-snout Ghostpipefish/ Hairy Ghostpipefish/

   学名:Solenostomus paegnius

と呼ばれていて,

こちらのブログこちらのページで紹介されています。


とってもふっさり。まさにヘアリーなカミソリウオです。

このふさふさ感,フィリピンならではといった感じですが,

こんなの,日本でも見られるのでしょうか?



*擬態の性差2013/10/22 20:58


イソバナカクレエビ (メス)

撮影者:どこせん旦那
撮影地:坊津(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F11,ISO200

イソバナカクレエビは言わずと知れた擬態上手で,
ホストのイソバナやエダムチヤギなどの色に見事に染まって,
体を目立たなくします。
上から見るとすっかりホストに溶け込みます。
でも,横から見ると体の輪郭が浮かび上がって見えるので,
慣れてくれば,けっこう見つけやすかったりします。
ただし,うまく見つけても,
すぐにホストの裏側に回り込んで,姿を隠すので,
なかなかおとなしく撮影に協力してくれない。


イソバナカクレエビ (オス)

撮影者:どこせん旦那
撮影地:坊津(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F10,ISO1
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さて,こちらの個体。
見つけたときは,
「多分イソバナカクレエビだとは思うけど,
ほとんど透明だし,どうして擬態してないんだろう?」
と不思議でした。
別のところから最近引っ越してきて,
いったん体色をリセットしておいて,
これからこのホストの色に染まろうとしているのかな?
と考えてみましたが,その予想ははずれました。

調べてみると,
透明な個体はオスで,
色がついた個体はメスなんだそうです。
性別によって体を隠す方法が違うのですね。
またひとつ,新たな知識が増えました。