*生態写真稀少?セグロイトベラ2013/11/17 12:20

長崎・辰ノ口の水深-20m付近。
大小の岩が散在する砂地に,
これまで見かけたことのない姿が目に入りました。

そのときはあまり気にも留めず,
あとで名前を調べられるようにと,
数カット撮影してその場を去りました。

「日本のベラ大図鑑」で調べたところ,
セグロイトベラではないかと思われます。


セグロイトベラ
撮影者:どこせん旦那
撮影地:辰ノ口(長崎), -20m
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F10,ISO250

「日本のベラ大図鑑」の著者,
西山一彦氏によると,
「雄成魚は尾鰭上部から中心部にかけて,
斜めに黒色線が走る。
環境や状態によって体色が変化する。
潮通しのよい,きれいな砂地に点在する岩礁,
サンゴ域などに生息する。
深い水深の綺麗な砂地を好む。稀種
オーストラリア北西部,南日本太平洋岸,
伊豆諸島,小笠原諸島,琉球列島に分布。」
とのことです。
(「日本のベラ大図鑑」および著者ブログより抜粋)

また,雌雄共に(イトベラは雄のみ)
背びれの前方に,黒斑があることが本種の特徴で,
上の画像でもかろうじて確認できます。
これが「セグロイトベラ」の名の由来かもしれません。

ネット上で画像を検索してみましたが,
数えるほどしかヒットしませんでした。
とりたてて美しいというわけでもなく,
形,色,模様ともわりと地味な感じですので,
あえて被写体に選ばれることが少ないのでしょう。
知る人ぞ知るといった感じの隠れた稀種ですね。


参考サイト


通常は水深-30mを超えるようなところで
見られるようですが,
このときは水深-20mくらいのところに,
3〜4匹ほど集まってスイスイと泳いでいました。
体長10cmくらいだったので,
おそらく成魚であろうと思われます。

全国的世の中的には稀種だけど,
辰ノ口では普通種なのか,
普段は姿を見せないけど,
何らかの理由で(例えば繁殖とか)
たまたまここにきていたのか,
気になるところです。要観察。

まだまだ知らないことが湧き出る長崎・辰ノ口です。


下の画像は坊津で撮影したものです。

セグロイトベラ
撮影者:どこせん旦那
撮影地:坊津(鹿児島), -40m
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F10,ISO200



コメント

_ mie ― 2013/11/20 08:35

おはようございます
海の楽しみの一つはめったに見られないものを見ることですね。
しかも、セルフで見つけたとなれば、興奮しますね。
地上よりうんと知られていないことがたくさんある海の中の楽しさの奥深さをまた見せていただきました。

_ moguritaoshi ― 2013/11/20 21:51

ブログが継続されていたのですねー  なかなかアップされないので
心配しておりました。

辰ノ口、面白いですね。  個人的には左の方(ドロっぽい)がのんびり写真が撮れるのかなぁと思いましたが、 ベラは右の方かな?

_ どこせん ― 2013/11/21 08:17

mieさんへ
ほんとに,海の中はおもしろいことがいっぱいです。
知ろうとすればするほど,探そうとすればするほど,
謎や未知が広がるばかりです。

moguritaoshiさんへ
ご心配おかけしました。
定期読者のつきにくい,気まぐれ更新のブログですが,
思い出した際にお立ち寄りいただければ幸いです。

辰ノ口面白いです。
このベラは,泥地と灯台の間の岩礁域で見かけました。
泥地もとても面白いです。
ただ,少し前までは,誰もここに潜る人がいなかったので,
ゆっくり独り占めできていたのですが,
最近になって急に潜る人が増えてきたため,
ちょっと状況が変わりつつあります。
辰ノ口(に限らず,全ての海がそうなのでしょうが)は,
ダイバーの影響を受けやすい面があり,
これまでも立派に育っていたツボカイメンが
みるみるうちに崩れてしまったことがあります。
そのせいで,定住していた生き物たちも
消えてしまいました。
自分の海ではないので,どうこう言えないのですが,
とても悲しい気持ちになってしまいます。
海を楽しむもののひとりとして,
そこに暮らす生き物のことを少しでも知って,
その存在を感じながら,大切にしながら,
同時に自分も楽しむことができたらと思っています。

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