1匹のオスにメス数匹といった小さなハーレムをそこここで見かけては、
「いつか錦江湾みたいな乱舞シーンを見られる日が来るかもしれないね。」
と冗談半分に話したこともありました。
まさかまさかそんな戯言が現実になろうとは!
巨大台風19号の上陸直前,頼みの綱の辰ノ口でのダイビング。
北東の強風も南からの強烈な波とうねりも完璧にブロックされて、西側エリアは極めて静穏。
やっぱりすごいぞ九州屈指のビーチポイント辰ノ口。
沖出しの濁った潮がジワリと流れて来るのを感じ始めたところで、
「こっちに何か出そうな気がする」という奥様の提案で急遽ルート変更。
しかし、これと言って気をひく生き物に出会えないまま時間が過ぎていき,
そろそろ深度を上げようかと思い巡らせていたところ,
すっと近づいて来た奥様が差し出したスレートには
「錦江湾と同じくらいの群れ」というメッセージ。
「またまた大袈裟な。せいぜい多くても3〜4匹でしょ。」
といぶかしげに思いつつ振り返ってみると、
アカオビハナダイの群れ
我が目を疑いました。
見積もってた数の30倍でした。(画角にはとても入りきれていませんが。)
横殴りに降り注ぐように流れてくるプランクトンを皆一心不乱に捕食していました。
これまでの辰ノ口ダイビング歴において最高にエキサイティングな瞬間でした。
やっぱりハナダイは舞い乱れてこそでしょう。
暗くて濁ってて浮遊物だらけとあって、
旧タイプのコンデジではどうあがいてもこの群れをうまく収めきれません。
ワイドレンズ&ポート&ロングアームを導入しようかと本気で検討している次第です。
これまでいた生物がいなくなったり,いなかった生物が急に増えたりといった
生態環境の変化は,手放しで喜べることではないかもしれませんが,
勝手ながら我々ダイバーにとってはこんなサプライズは大歓迎なのです。
ああ今日もよかダイビングやったね。