*そうだったのか!直列アメフラシ2014/02/03 00:45

以前志賀島でダイビングしたときのこと,
3個体縦につながったクロヘリアメフラシを見ました。

クロヘリアメフラシ(再掲)

ウミウシ研究者の中野理枝さんの著書,
海に暮らす無脊椎動物のふしぎ」によると,

アメフラシの仲間は前後に連なって,
直列交接を行うそうです。
直列交接では前の個体がメス役で,
後ろの個体がオス役ですが,
このように3個体が並んで交接を行う場合は,
真ん中の個体は,後ろの個体から精子を受け取りつつ,
前の個体に精子を受け渡すことができるとか。
数少ない繁殖の機会を効率的に活用することができる,
素晴らしい(?)機能をもっています。

ということは,
アメフラシが10個体くらい集まれば,
1周ぐるりと輪になってつながって,
巨大な交接リングができあがるということか?
春の大繁殖の時期に見ることができるかも?



*手広のウミウシ2014/01/30 00:23


ウデフリツノザヤウミウシ
撮影者:どこせん奥様
撮影地:奄美大島(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F11,ISO100

うねりがあまりにも強く,
思いっきりなびいてしまっています。


ウデフリツノザヤウミウシ
撮影者:どこせん奥様
撮影地:奄美大島(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F11,ISO100

うねりに負けて寝っ転がった図。
酔っぱらっていい気分で
ゴロリと横になっている感じ。
あまりの気持ちよさに波目になってます。

*ピンボケでも時には可2014/01/27 00:31


ハナビラクマノミ
撮影者:どこせん奥様
撮影地:奄美大島(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/200秒,F11,ISO100

ふんぞりかえってこちらを見下しているような
不敵なハナビラクマノミの表情が素敵です。


ところで,
写真を撮るときは,まずはメインとなる生物の目に
ピントをビシッと決めることに注力してます。
うねりがあったり,暗かったり,
被写体の動きが速かったりして,
フォーカシングが難しい状況にあると,
そこにほとんどのエネルギーを注ぎ込んでしまう
ということもしばしばあります。

でも最近の水中写真の動向を見ていると,
ピンぼけ写真やわざとピンをずらした写真であっても,
それはそれで作品と言ってしまえばOK
といった流れもあるようです。

あえて意図的にピンを外して,
アーティスティックな作品を求めたのか,
それとも意に反して失敗したピンボケ写真が
偶然面白い効果を発揮してしまったのか,
撮った本人にしかわからないことです。
(状況さえ整えば写真を再現できるかどうかで,
どちらであるかは判別可能だとは思いますが)

でも,どちらであっても,
撮った本人がいいと思い,
それに共感してくれる人がいるのであれば,
その写真はいい写真なのでしょう。
ピンボケ写真が即ゴミ箱行きとはならず,
日の目を見るチャンスが広がるということは,
アマチュア写真家にとっては
非常にありがたいことです。


そういえば,
2012年5月に出版された,
鍵井靖章さんの写真集「海中散歩」には,
1ページ目を開くや否や度肝を抜かれました。
しばらくの間,その写真に釘付けになったまま
頭の整理がつかず,声を失ってしまいました。

そこには,ウミシダを背景にして
体をしならせて泳ぐキンギョハナダイの姿が,
ハイキーでパステル調に表現されていたのですが,
ピントは,眼からは大きく外れていて,
鱗と背鰭のほんの一部分だけにきている上に,
あろうことか肝心のキンギョハナダイの顔が
フレームアウトしているのです。
被写体のディテールは削ぎ落とされ,
主体すらほとんど曖昧にされて,
ただ,光と色と形と動きのイメージだけが
ほんわかと柔らかく表現されていました。

初めは全く理解に苦しみましたが,
ピントやフレーミングのことはともかく,
全体として美しく目を惹く写真であることには
間違いありません。

これまで自分が撮った写真は,
思ったところにピントがきてない段階で,
ボツ写真と見なしていましたから,
正直言ってこの写真には衝撃を受けました。
にわかには受け入れられませんでしたが,
「そうか,これでもいいんだ」ということに
気づかせてもらった貴重な体験でした。


ハナビラクマノミ
撮影者:どこせん奥様
撮影地:奄美大島(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/200秒,F5,ISO100

この写真も普通なら明らかに失敗写真なのでしょうが,
個人的には割と好きな写真です。
シライトイソギンチャクのゆらめきが
妖しげでとてもきれいなのと,
完全にピンボケしたハナビラクマノミは
ゆるキャラ的なおとぼけ感が醸し出されて,
全体がほのぼのとした雰囲気になり,
何となく癒される感じが気に入りました。

柔らかな雰囲気を大切にしたいときには,
わざと切れ切れのジャスピンフォーカスにしないことも
意外と効果的であることに気がついた次第です。