この日潜った別々のポイントで,
どちらもこのハゼを見ました。
シュンカンハゼ
普段はよほど注意して寄らないと
すぐに岩のすきまに逃げ込んでしまうのですが,
この日の個体はどちらもなぜかのんびりしていて,
じっくりと撮影することができました。
シュンカンハゼの名前の由来は,
「見た瞬間に逃げていってしまうから」という安直な説もありますが,
和名を実際につけた学者さんによると,
平家物語に登場する,俊寛という不遇な目に遭った僧にちなんだものなんだそうです。
シュンカンハゼの眉間のしわがとても印象的で,
それを見た時,能でも演じられた俊寛の苦悶に満ちた表情が思い起こされ,
両者のイメージがシンクロしたのだそうです。
(参考サイト「富戸の波 こぼれ話第112回俊寛」)
普通種で地味な魚ですが,このような命名の由来を知ると,
何だか歴史的なものを背負い込んだ魚のように思えてきて,
相見えると何となく特別な気持ちになってしまうのは,
勝手な思い入れのせいでしょうか?