今年の夏は奮発してタヒチへと向かいました。
赤道を越えて南半球へ渡るのは初めての経験です。
タヒチは物価が高いので、毎度の食事にもけっこうお金がかかります。
いちいち食事の心配をしないでダイビングにひたりたいという考えから、
ボラボラ島のClub Medを利用することにしました。
タヒチの島々は、日本から約1万キロメートルも離れた
南太平洋に浮かんでいます。
その中でもボラボラ島は特に美しいと言われ、
世界中のハネムーナー憧れNo.1の島(?)です。
南の楽園とは言っても季節は冬。朝晩は肌寒さを感じるほどで、
日中の日差しもギラギラと照りつけるような強さはなく、
とても過ごしやすい気候でした。
南十字星を初めて見たり、当たり前とはわかっていても
北を通る太陽に何だか違和感を感じたりと、
南半球ならではの体験にいちいち感動を覚えてしまいました。
Club Medは思っていたよりハネムーナーは少なく、
ファミリーやグループ、シニアカップルの姿が多く見られました。
ボラボラ島には3軒のダイビングサービスがありますが、
日本語が通じると言うことで、「トップ・ダイブ」を選びました。
たまたまClub Medとの契約ショップだったので、
連絡を取りやすく、その点では助かりました。
ボラボラ島のダイビングポイントは、
おおざっぱに言うとラグーン内のポイントと
環礁のすぐ外側の外洋ポイントとに分けられます。
ラグーン内にはマンタポイントや
マダラトビエイが現れるポイントなどがあり、
比較的浅い水深でサンゴ礁と
白く美しい砂地がうまく調和しています。
外洋側は、なだらかな棚一面を埋め尽くす
見渡す限りのサンゴ群がとても見事で、
透明度の良いすみきった海が広がっています。
ここにはサメの餌付けポイントや
ゆっくりとドリフトを楽しむポイントがあります。
ボラボラ島のマンタポイントは、
世界でも珍しくラグーン内でマンタが見られると言うことで有名です。
これは仕方のないことですが、プランクトンの影響で
透明度がよくないのが難点です。
マンタ遭遇率は100%に近いそうですが、
ガイドがかなりおおざっぱなので、当たりはずれがあります。
私たちは2度潜って5枚見ることができました。
でも、通り過ぎていくばかりで、
宙返りしてプランクトンを食べるような場面には出会えませんでした。残念。
マンタに会えないと本当に寂しいポイントで、
他にはクマザサハナムロの小さな群れが
プランクトンを求めて移動するのを見かけるくらいです。
ラグーンの切れ目のパスと呼ばれる水路を通って外洋に出るとすぐ、
サメの餌付けショーが行われるポイントがあります。
ツマグロザメのほか、体長3m超級のレモンザメが
冷凍の大型魚の切り身に呼び寄せられてきます。
こんなに大々的に餌付けをやっているところは初めて見ましたが、
マンタ以外にはとりたてて見せるものがないということで
苦肉の策なのでしょうか。
マンタポイントとサメの餌付けショーは必ずセットになっていて、
フランス人ダイバーには好評のようです。
外洋側のポイントもそれほど水深はなく、
一番深いところでも30mくらいです。
風向きによっては波は少々高くなるものの、水中まで影響が及ぶことは少なく、
あってもゆるやかな流れくらいで、気持ちのいいドリフトができます。
本当に底一面見渡す限り多種多様なサンゴが見事に広がっています。
しかし、他の生き物については寂しい限りです。
マクロ派の私としては、目を皿のようにして探してみたつもりなのですが、
これといってめぼしいものを見つけることができませんでした。
私が未熟なのか、実際に寂しい海なのか。
ランギロア島の方は大物も小物も素晴らしいと聞きますが、どうなのでしょう。
同じタヒチとは言っても遠く離れてますから、
また全然違っていても不思議ではありませんが。
8日間のツアー中、5日間で10ダイブ。
正直言ってちょっと期待はずれでした。
マンタとサメ、そしてついでにウミガメかナポレオンが見られたらOK
というようなダイビングでは、今となっては到底もの足りません。
これはぜいたくなのでしょうか。
でも、こちらも大金はたいてますからねー。
つい、求めてしまうんですよね。
一緒に潜った外国人がうちの奥さんに言ったそうです。
「どうしてわざわざこんな遠いところまで潜りにくるんだ。
日本にはもっと素晴らしいところがあるじゃないか。」と。
そう言われればそうですよね。
タヒチに1回行くなら、沖縄に8回、奄美でも3〜4回行けるぞ。
とりあえず、志賀島でいいから無性にウミウシが見たい。写したい。