*クロユリハゼ属の1種?2013/12/08 22:39


クロユリハゼ属の1種?
クロユリハゼ属の1種
撮影者:どこせん旦那
撮影地:坊津(鹿児島),-40m
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F8,ISO100

この個体は単体で砂礫域の海底近くを
ゆっくりと泳いでいました。

クロユリハゼの仲間だとは思うのですが,
図鑑やネット上で調べても
該当するような種が見当たりません。

坊津の海は,決して派手な海ではありませんが,
何が出てくるか潜ってみないとわからないという
おもしろさがあります。
ちょっと見かけない奴だなと思えば,
目の前に現れたものはとりあえず撮ります。
2度と会えない可能性大ですから。


*見慣れぬミスジのスズメダイ2013/11/28 20:40


黒い3本ラインのスズメダイ。
浅場で見慣れたミスジリュウキュウスズメダイかなと,
初めて見たときはそう思いました。

でも,見慣れた姿とはどこか違和感があるし,
生息環境があまりにも違いすぎる。
調べてみると,似て非なるスズメダイでした。


ミスジスズメダイ
ミスジスズメダイ
撮影者:どこせん旦那
撮影地:坊津(鹿児島),-35m
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F13,ISO200

ミスジリュウキュウスズメダイは,
真ん中の黒帯が腹びれまで及びます。
本種は,黒帯は腹部で途切れ,
腹びれは白くなっています。

やや深い砂礫域に,
幼魚,やや若魚,若魚の微妙にステージの違う
3個体が付かず離れずのトライアングルを保って
浮かぶようにしていました。

*ニラミギンポ黄化個体?婚姻色?2013/11/21 07:17

ニラミギンポと言えば,
全身黒くて,所々青筋が入り,尾鰭が黄色,
というイメージがありますが,
こんな個体を奥様が発見しました。

ニラミギンポ(色彩変異)
撮影者:どこせん奥様
撮影地:坊津(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F11,ISO100

ここまで体色が明るいと,
一瞬ハナダイギンポか?思ってしまいましたが,
どうも,ニラミギンポの黄化個体のようです。
(婚姻色なのでは?という意見もあります。)


ニラミギンポ(色彩変異)
撮影者:どこせん奥様
撮影地:坊津(鹿児島)
撮影機材:ニコンD7000/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/125秒,F5,ISO100


(本村浩之; 出羽慎一; 古田和彦; 松浦啓一)
によると,
ニラミギンポ(p303)の色彩に関する説明の中で,

ーー以下抜粋
色彩 体側は尾柄部を除き黒色で、 
尾鰭を除く各鰭条も黒色。 
尾柄部から尾鰭にかけて鮮やかな黄色。 
生時には頭部、 体側に青白い模様が
みられる個体もいる。 
硫黄島では本種の色彩変異とみられる標本も
採集された。 
体色は頭部 ・ 背鰭 ・ 臀鰭 ・ 尾柄部から
尾鰭にかけては濃い黄色、 胸鰭後部から
尾柄部にかけては灰色がかった黄色をしている。」
ーー抜粋ここまで

という記載があり,
前掲の写真の個体とよく似た標本写真が
掲載されています。
この資料を作成された研究者の方々は,
婚姻色という一時的な変化ではなく,
常態的な色彩変異(黄化個体)という捉え方を
しているようです。


ニラミギンポ(色彩変異 yg.)
撮影者:どこせん旦那
撮影地:坊津(鹿児島)
撮影機材:ニコンD70s/105mm F2.8マクロ
撮影データ:SS1/200秒,F10,ISO200

さて,この個体は,体色はしっかりとした黒ですが,
尾柄部から尾鰭に加えて,背鰭が黄色になっており,
オーソドックスな黒いニラミギンポと,
黄化個体のニラミギンポの中間的な色彩を呈しています。
色彩変異にもいろいろなバリエーションがありそうです。

ニラミギンポはいるところにはやたらといる,
いわゆる普通種ですが,
こうしてみると,意外に解明されていない部分も
残されているようですね。
分布している地域差によるものなのか,否か,
婚姻色との関係はあるのか,ないのか,
サンプルを増やして考察していく必要があります。
今後はスルーせずに,
努めて全身写真を撮るように心がけます。